はじめに
「自分のあとにお墓を守る人がいない」、「お墓が遠くてなかなか
行くことができない」などのさまざまな事情や理由で、不本意な
ことではありますがお墓参りが途絶えてしまい、ご身内やご先祖
のお墓が長期間手入れをされることなく放置され、最終的には無
縁仏となってしまう・・・という話を最近よく耳にするようにな
りました。
最近では、このような事態を避けるために「墓じまい」という方
法があるなんてことも、同じく耳にするようになってきました。
こまかい話にはなりますが、実は「改葬」=「墓じまい」という
わけではありません。本来は、場所を変えてお墓を建て直すこと
を「改葬」といいます。
より分かりやすく説明すると、ご遺骨を含めたお墓を移動させる
こと、つまり、お墓の引っ越しのことを「改葬」といい、ご遺骨
の引っ越しのことを「墓じまい」といいます。
ご遺骨の引っ越しには、現在あるお墓を撤去等して、納められて
いるご遺骨を他の墓地や霊園・永代供養墓などに移すことを伴う
ことがありますので、それら一連の流れ・作業全体を総称して
「墓じまい」と表現している場合も多いかと思いますが、「墓じま
い」の先にあるのが「改葬」といえます。
遺骨の遺棄は法律で禁止されており、また、墓地以外の場所に勝
手に埋めることも同様に禁止されています。そのため、基本的に
は現在あるお墓を撤去等した後は、それまでそこに納められてい
たご遺骨の新しい居場所が必要になります。
改葬(墓じまい)にはいくつかの行政手続きや宗教行為などを経
る必要がありますので、次項以降にて簡単に分かりやすく説明し
ていきます。